JAZZ、FUSION系を中心に手持ちCD・DVDのレビューを書き綴っています。

Quartet / Herbie Hancock

ハービー・ハンコックのジョニ・ミッチェルへのオマージュ盤「River: The Joni Letters」がグラミー賞「アルバム・オブ・ジ・イヤー」を受賞。近くのCDショップでもハンコックの特設コーナーが設けられていた。山積みの受賞作の脇にひっそりと置いてあった本作を購入。
学生時代にカセットテープで所有していたが、いつの間にか行方不明に。約20年ぶりに聴くことになる。

このアルバムは、1981年7月「ライプ・アンダー・ザ・スカイ'81」の最終日、このカルテットのメンバーにカルロス・サンタナを加えた「スペシャル・バンド」で出演、その翌日から東京信濃町のCBSソニーのスタジオで4日間にわたり録音された3種類のセッションのひとつ。メンバーは、

Wynton Marsalis(tp)
Herbie Hancock(p)
Ron Carter(b)
Tony Williams(ds)

CDのライナーによると、この4日間で発表されたものだけでも18曲のレコーディングを行っている。

7月27日「ハービー・ハンコック・トリオ’81」
7月28日「ハービー・ハンコック・カルテット」(本作)
7月29、30日「マルサリスの肖像」(ウイントン・マルサリスの1stリーダーアルバムの内4曲)

何れ劣らぬ名盤ばかり。神がかった4日間だったに違いない。
ポイントはウイントン・マルサリス。
「トリオ’81」はとりあえず置いといて、今回はウイントンの参加している「ハービー・ハンコック・カルテット」と大好きな「マルサリスの肖像」について少し。

“ウイントンはクラシック向きなのかジャズ向きなのか”という評論を昔はよく見かけた。(最近はどうなんだろ?)
あまりにも完璧すぎるプレイ故に一部のジャズファンからは不評であった。ジャズファンはスマートで完璧なものをあまり好まない。ベロベロのヘロイン中毒で最低な生活をしてるミュージシャンの音を好む(笑)
確かに本作の「'Round Midnight」やマルサリスの肖像での「R.J.」を聴くと軽すぎるという印象は否めないが、この録音時ウイントンは若干19歳!ベロベロのマイルスと比べるのは酷である。驚異の19歳と考えるのが普通だろう。

久しぶりに聴いた本作だが、新しい発見もあった。ほとんど記憶になかったロン・カーターのオリジナル「Parade」の素晴らしさ!寺島靖国著「辛口!JAZZノート」で知りロン・カーターのリーダー・アルバム(LP)を持っていたがしばらく忘れていた。この頃のハンコックはいいですねー。

今週は、「ハービー・ハンコック・カルテット」→マイルスの「ソーサラー」(The Sorcerer、Pee Wee収録) →「マルサリスの肖像」→マイルスの「E.S.P」(R.J.収録)を交互に聴いている。やはりマイルスは特別だと思うけど、ウイントンもいい。「マルサリスの肖像」の1曲目「Father Time」とか無茶くそカッコイイわ。
このカルテットの最後の曲「I Fall In Love Too Easily」が多数収録されてるマイルスのコンプリートプラグドニッケルの箱まで聴き始めた。トランペットばっかりの1週間だった。

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01. Well You Needn't (T.Monk)
「ハービー・ハンコック・カルテット」といえばこの曲!というイメージ。
ウイントンのソロがいい。うめき声も聴こえてくるハンコックの入魂のソロ。アツイ!

02. 'Round Midnight (T.Monk-C.Williams-B.Hanighen)
マイルスのミュートプレイとの違いがおもしろい。やや軽いがとても19歳とは思えない。
とてもキレイな音色のミュートだ。
そしてあのブリッジ部分、トニーのフィルがカッコイイ。ハンコックが素晴らしいソロを聴かせてくれる。

03. Clear Ways (Tony Williams)
実にこのカルテットにあっているトニーのオリジナル。
序盤からハンコックが飛ばしまくり。続くウイントンのソロもノリノリ。
ロン・カーターのベース・ランニングもカッコイイ!

04. A Quick Sketch (Ron Carter)
16分25秒にも及ぶ大作。黒く4人のフリーなプレイが印象的。この曲のテーマが記憶に残ってる。
 
05. The Eye Of The Hurricane (Herbie Hancock)
カルテット版V.S.O.P.。この曲、普通のブルースなんだけど何でこんなにカッコイイんだろうか?
トニー・ウィリアムスのドラムソロもしびれる。ハンコックといえばこの曲!
フレディ・ハバードと比べてスマートさ上品さが全然違う。(どっちが好みかは別にして)
このトランペット・ソロ、19歳ですって。信じられない。ハンコックもウイントンの超絶プレイに煽られてる。
 
06. Parade (Ron Carter)
イントロのハンコックのピアノの美しいこと!「このCD買ってよかったー」と思えるプレイです。中間部のピアノ・ソロも素晴らしい。
アルバムにこの曲が入っていたこと自体忘れていた。名曲、名演。
ロン・カーターのリーダー・アルバム「パレード」もオススメ。
 
07. The Sorcerer (Herbie Hancock)
ここから3曲はマイルスへのオマージュか。
オリジナルの黒魔術的雰囲気は無いが、これはこれで好き。
ロン&トニーのリズム隊が超カッコイイです。
 
08. Pee Wee (Tony Williams)
同じくマイルスの「ソーサラー」収録曲。
ウイントンのミュート&トニーのブラシでしっとりと。
 
09. I Fall In Love Too Easily (J.Styne-S.Cahn)
最後は唯一のスタンダードナンバー。
マイルスも黄金クインテット時代によく取り上げていた。ウイントンもオープン・ホーンで歌いあげている。美しいバラード。


「お気に入り度」 ★★★★★


# この頃発売されたウイントンと吹奏楽とのセッション「熊蜂の飛行」、結構好きだったけどあれがジャズファンに評判が悪かった。
# ウイントンはクラシック向きだと思います。

 
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282:聴く
マルサリスの肖像の1曲目「Father Time」
とThe Man With The Horn(マイルス)の
1曲目「Fat Time」をテープに落として
聴き比べてみたいです。あんまり意味ない
ですが、Time After Timeって感じで(呆)

クラシック系パーフェクト vs ハードボイルド
系ベロベロ なんかすごそうです(笑)
283:
これにブランフォード加えてVSOP2とかいうユニット名で行われたライブの模様を、当時テレビで見ました。実にカッコよかったです。ソフト化されないものでしょうか。

このカルテットは、友達に貸したまま行方不明です。(笑)
284:
もしかしたら、ブランフォードの入ったライブは時期が違う様な気もします。
285:コメントありがとうございます。
>さり様
「Father Time」と「Fat Time」は関連性がかなり薄いです(笑)
しかし、双方とも何か新しい胎動のようなものを感じさせます。Time After Timeな聴き比べはおもしろいかも!

>猫ケーキ様
我が家にある2002年12月号のジャズライフ(ブランフォードが表紙)によると、VSOP2は1982年に結成、ワールドツアーを行っているようです。まさにこのカルテットの発売時期ですね。

この頃は日本制作のロン&トニーものが乱発されてましたよね。(GJTとか)
私もかなり行方不明になってます(泣)

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