milkybar音盤絵巻

手持ちCD・DVDのレビューを徒然なるままに書き綴ります。JAZZ、FUSION系を中心に週1ペースで更新(目標)

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Peter Erskine / Peter Erskine

2008.01.26 (Sat)
ジャズをやりたくてWeather Reportを脱退、その直後の1982年に発表されたピーター・アースキンの1stリーダーアルバム。
ジャズ・ドラマーとしての修行を積む為に、拠点をロサンゼルスからニューヨークへ移し、ステップスへ参加した時期の作品。
ステップスの7th AVENUE SOUTH でのライヴ盤「PARADOX」のライナーによれば、82年の夏にステップスとウエザー・リポートのツアー日程が重なってしまったが、ステップスを優先してウエザーを脱退したとのこと。

80年代初頭のこの時期は、ステップスやブレッカーブラザーズ周辺のフュージョンスター達がこぞってアコースティックなジャズに回帰していた頃。このアルバムも当時のステップスのミュージシャンを核にしたアコースティックな作品。
初リーダー作とは思えないリラックスした雰囲気のアルバムで、ウエザー脱退後、心機一転、自分のやりたい音楽を作っていこうとしているピーター・アースキンの心情がよく表れている。

参加ミュージシャンは今では考えられないような超豪華な顔ぶれ。信じがたいラインナップ。

Peter Erskine(Drums,Percussion,OBX)
Randy Brecker(Trumpet、Flugelhorn)
Michael Brecker(Tenor Saxophone)
Bob Mintzer(Tenor Saxophone,Bass Clarinet)
Mike Mainieri(Vibes)
Don Grolnick(Electric Piano)
Kenny Kirkland(Piano)
Eddie Gomez(Acoustic bass)
Don Alias(Congas)


大学生の頃、テナーを吹いている先輩にカセットテープを貰って聴いていた。
マクセルのテープで、A面にウエザー・リポートの「ナイト・パッセージ」、B面にこのアルバムが入っていた。(無節操なダビング)
今ではその青春お宝テープも行方不明だけれども、衝撃を受けたのは言うまでも無く、ピーター・アースキンが今でも一番好きなドラマーであり、先輩にはとても感謝しています。

ピーター・アースキンの最大の魅力は聴いてて心地よいこと。
繊細なタッチ、柔らかく的確なシンバルレガート、そしてタイム感。
ウエックルとかカリウタのようなフュージョン系ドラマーのように、フレーズを構築していくようなカッチリしたドラミングではなく、浮遊感のあるフレーズで空間を紡ぎ出す“雲を掴むような”タイコ。その捉えどころがないような感覚がとても気持ちよくてクセになります。
実物を見たのは93年にスティーリー・ダンの日本公演で来日した時に1度だけ。ドナルド・フェイゲンそっちのけでアースキンばっかり見てました(笑)
ピアノ・トリオとか、ギター・トリオものを是非間近で見てみたい。

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01. Leroy Street
まずこのイントロ。ドン・アライアスのコンガと絡んで紡ぎ出すグルーヴ、これがアースキンの気持ち良さです。Leroy Streetとは当時ステップスの面々がプレイしていたライヴハウス「7th AVENUE SOUTH」の近くを走る道路の事。
ステップス「PARADOX」の裏ジャケットに7th AVENUE SOUTHの屋上から撮った写真が使われているが、標識にLEROY ST の文字が。7th AVENUEと交差しているストリートのようです。 アースキンが気心の知れたミュージシャン達と自分の音楽を作れる喜びに溢れた曲となっている。
リラックスしたランディ&マイケルのユニゾンのテーマから、ボブ・ミンツァー、ケニー・カークランドの入魂のソロが聴ける。終盤にさしかかり、アースキンが手数を出してくるがこれがまた気持ち良い。とても豪華な演奏。



02. In Statu Nascendi
ピーター・アースキンのドラム・ソロ。
高速レガートから、フリーっぽいソロへ。ドラムソロ曲といってもタッチが繊細なので全くうるさくない。浮遊感のある素晴らしいソロ!

03. E.S.P.
ウエィン・ショーター在籍時のマイルス・デイビス・クインテットで有名なナンバー。
オリジナルに忠実なアレンジで演奏している。1曲目と同様、ボブ・ミンツァー、ケニー・カークランドのソロあり。特にケニー・カークランドの疾走感あふれるソロは素晴らしい。オリジナル同様に風を感じさせる。

04. Change of Mind
ボブ・ミンツァーのオリジナル。アースキンはボブ・ミンツァーのビッグ・バンドにも参加するなど、以後も多数共演している。本作でも重要な立場にあり、ソロを4曲も吹いている。(マイケル・ブレッカーは1曲のみ)
この曲でのテナーソロは自分の曲だけあって、特に情感あふれる素晴らしいソロ。

05. All's Well That Ends
本アルバムの白眉。マイケル・ブレッカーの本アルバム唯一のソロにして、感動的なソロが聴ける。
後期のステップス・アヘッドのような作品で、マイケルが激しくブローしています。後期ステップス・アヘッドのサウンドの核はこのアルバムから始まったのでは?と感じさせるほどソレっぽい。
終盤のドラムソロの部分はやや時代を感じさせるクサさがありますが。

06. My Ship
前回に引き続きマイケルブレッカーのバラードアルバム「Nearness of You」収録曲集ということで。
My Shipと言えば「マイルス・アヘッド」のイメージが強いが、自分の中ではコレ。
残念ながらマイケルは不参加ながらも、ボサノバタッチの軽やかなMy Ship。
ランディ・ブレッカーのフリューゲル・ホルンが爽やかにテーマを歌い上げている。

07. Coyote Blues
アルバムの最後はリラックスしたブルース。
ボブ・ミンツァー、ケニー・カークランドのソロあり。
ウエザー・リポートでは味わえない世界。こういうオーソドックスなジャズが演りたかったのだろう。


「お気に入り度」 ★★★★★


# ドン・アライアスのコンガが本作の肝
# 今は亡きケニー・カークランドの名演がこのアルバムを素晴らしいものに。

 
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コメント

お邪魔します。
最近、このCDを購入しようと手に取ったのですが、その時に試聴し、「私にはチョッとJAZZ過ぎるかナ」と思い見送ったのですが・・・milkybarさんのレヴューを読んでやはり購入しようと思いました。それとタイムリーな事に、このアルバムにもマイク・マイニエリが・・・(笑)
コメントありがとうございます。
このアルバムはマイク・マイニエリ色が薄いです。同様にマイケル・ブレッカー色も薄く、同時期に録音されたマイニエリの「ワンダーラスト」とは全く違った雰囲気の作品ですね。
いつもこの2枚を聴き比べて、どうしてこんなに違うんだろう?と思ってしまいますね。
そのジャケットの雰囲気と表情が
この作品の中身を物語っているようですね、これは。

というのは、「モノトーン」で
やや「捉えどころのない」感じというのが、
個人的な印象だからです。

と言って、嫌いな作品ではなく、
フュージョンの完全な衰退と、
ウィントン・マルサリスの登場に端を発した
トラディショナルなジャズの再評価が、
交錯した微妙な時代ならではのユニークな音で
定期的に聴きたくなるものです。

ジャコもそうでしたが、
ウェザー・リポートの出身者というのは、
ザヴィヌルの影響を多大に受けて、
音の重ね方や組み立て方、また、それらと
ポリリズムとの関係などのアレンジに
凝ってゆく傾向にありますよね。

ウェザーリポート脱退後も、
末期の録音作品には、ザヴィヌルに呼び戻されたり、
グループ解散後の「ウェザー・アップデイト」などの
ソロワークやライブへも
しばしば参加してましたから、
ザヴィヌルとアースキンというのは、
ある意味「相思相愛」だったんでしょう。

アースキンの空気を切り裂くような
繊細かつシャープなジャズドラムを楽しむ作品では、
ジョン・アバークロンビー=マーク・ジョンソン=
ピーター・アースキンのトリオを基本にした
作品が思う浮かびます。
トリオのライブ盤「ライブ・イン・ボストン」や
トリオに一部マイケル・ブレッカーが加わった
「ゲッティング・ゼア」(ともにECM盤)が
特に好きですね。
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり「モノトーン」な印象はありますね。明確な方向性が見えないアルバムかもしれません。(とりあえず4ビートを演りたかったというような感じでしょうか。)
そしてドン・アライアスの起用と使い方がウエザーの手法という気がします。

刺すような冷たさのある「ライブ・イン・ボストン」、幾分メローな「ゲッティング・ゼア」、私も好きなアルバムです。

ところで、「ウェザー・アップデイト」のミュンヘン・ガスタイクのライヴDVDを最近購入したんですが、体育館でリハーサルしてるみたいでチョット違和感を感じました。動くスティーヴ・カーンが存分に見れて良かったんですが(笑)
こんにちは。Pアースキンのリーダー作、80年代はかなり追いかけていたのですが、肝心のコレは今まで聞いた事がなかったので、記事を拝見してすぐに購入してしまいました。非常にカッコイイです。紹介ありがとうございました。

1993のスティーリーダン、私も見ました。ピーターアースキンばかり見ていたのも同じです(笑)

TBさせて頂きましたので、よろしくお願いします。
コメント&TBありがとうございます。
早速購入されたんですね!記事内リンクまでしていただき、ありがとうございました。

スティーリーダンの来日公演も行かれてたんですね。
あの時のライヴは冒頭でいきなりAjaを含むメドレーが始まった事や、ピーター・アースキンの体のデカさがとても印象に残ってますね。

当方もTBさせていただきました。

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1982年録音、ピーター・アースキンの初リーダー作。milkybarさんのmilkybar音盤絵巻の記事を読んでいた所、丁度リンク先のアマゾンで安かったので、...
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