JAZZ、FUSION系を中心に手持ちCD・DVDのレビューを書き綴っています。

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Traveling Miles / Cassandra Wilson

“Princess of Darkness”ことカサンドラ・ウィルソンが帝王マイルス・デイビスに捧げたトリビュートアルバム。
本人曰く「トリビュートというよりはオマージュという感じよね。マイルスの哲学というか、精神をテーマにしたアルバムなのよ。」 (ライナーより)
マイルスのオリジナルの他、マイルスゆかりの曲、マイルスの世界感を彼女なりにイメージしたオリジナルで構成されている。何とマイルスのオリジナルに彼女が歌詞をつけている。

秋冬には必ず聴いている本作。夕暮れ時に車の中で聴くのも最高。
まずこのジャケットがいい!
唇に当てた指はマイルスのマウスピースか、それともペロッと指を舐めるマイルスがよくする仕草をイメージしたものか、
何れにしてもこの写真は素晴らしく綺麗です。

あくまでオマージュであるからして、露骨にマイルスのアドリブパートをなぞったりはしない。
マイルスの精神を彼女なりの解釈で歌っていく。時には重く、時にはさらりと。(比較的重たいかな)

核になるメンバーは、
Cassandra Wilson(vo)
Lonnie Plaxico(b)
Marvin Swell(g)
Kebin Breit(g)
Eric Lewis(p)
Mino Cinelu(per)

ゲストプレイヤーとして、
Pat Metheny(g)
Regina Carter(vln)
Stephan Harris(vib)
Dave Holland(b)
Steve Coleman(as)
Angelique Kidjo(vo)
Olu Dara(cor)
Cecilia Smith(vib Marimba)
Marcus Baylor(ds)
Jeff Haynes(per)

パット・メセニー、デイヴ・ホランド、M-BASEで一緒だったスティーヴ・コールマンの参加が目を引く。
マイルスのオリジナルからの選曲は、「04. Time After Time」や「09. Resurrection Blues (Tutu)」など比較的後期のものが目立つが、中でも1曲目、ビッチェズ・ブリューからの「01.Run The Voodoo Down」が大のお気に入り。
これを聴いた後、マイルスのオリジナルを聴く。サウンドはかけ離れているが哲学(精神性)は共通しているような気がする。なるほど...と思ってしまう。
そして、マイルスの曲に自分で歌詞をつけてしまうという大胆さ。是非日本盤を買って歌詞を見ることをオススメします。慣れ親しんだマイルスの曲に新しいイメージが付加される事うけあい。
彼女自身のオリジナルがこれまた素晴らしい。このオリジナル曲がいいので他のマイルスのオリジナルが相乗効果で良くなって聴こえる。
秋の夜長はこの1枚で。

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01. Run The Voodoo Down
世紀の問題作、「ビッチェズ・ブリュー(69年)」からマイルス・ラン・ザ・ブードゥ・ダウン。カサンドラ・ウィルソンが歌詞をつけている。
超クールに蘇っている。マイルスを彷彿とさせるオル・ダラのコルネットも雰囲気。そして、ジェフ・ヘインズのパーカッションが最高に気持ち良い。このグルーヴ感は全国の高校生ブラスバンドパーカッション課は必聴。
素晴らしい名演で本アルバムのベスト!

02. Traveling Miles
彼女のオリジナルでタイトルチューン。
ジャズっぽいバラードのアレンジで、スティーヴ・コールマンの素晴らしいソロあり。
カサンドラの歌も染みます。

03. Right Here, Right Now
ジョニ・ミッチェル風のギターをフィーチャー。
これはマイルスか?マイルスなんだろう...

04. Time After Time
「ユア・アンダー・アレスト(85年)」収録のシンディ・ローパーのカヴァー。
このタイム・アフター・タイム、シンディの名曲をマイルスが演ったから良かったのであり、それをまた別の女性ヴォーカルがカヴァーするのはちょっと違う気がする。
が、ロニー・プラキシコのアコースティックベースをボトムにとても心地良いナンバーに仕上がっている。

05. When The Sun Goes Down
カサンドラ自身がアコースティックギターを弾いている彼女のオリジナル。
途中エレキギターのソロもあるハイブリッドなナンバー。

06. Seven Steps
「セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン(63年)」より。
ヴァイオリンとビブラフォンの絡みでグルーヴを作っていく。ジャズのようなゴスペルのような不思議な世界。
途中、ヴァイオリンソロでロリンズの「セント・トーマス」のテーマが出てくるが、そのあたりのセンスは理解不能(笑)

07. Someday My Price Will Come

「サムデイ・マイ・プリンス・ウイル・カム(61年)」より。
こんなダークな雰囲気のサムデイがかつてあっただろうか。必聴の名演では。
エレクトリックマンドリンとヴァイオリンの悲しい調べがダークネス。

08. Never Broken (ESP)
「ESP(65年)」より。
マイルスのオリジナルアルバムは大愛聴盤。あれをきいてると部屋の中を風が吹き抜けるような感覚を覚える。スピーカーから風が吹き出しているかのような。
カサンドラが歌詞をつけ、ムードもそのままに。

09. Resurrection Blues (Tutu)
本作でも1、2を争う名演。TUTUを取り上げてくれるカサンドラのセンスに大拍手です。
これを聴くためにこの盤を買ったようなもの。最初に聴いて大満足&大納得の素晴らしい演奏です。
まずオリジナルの「TUTU(86年)」自体が奇跡の名盤。まずそっちを聴くべしですね。

10. Sky And Sea (Blue In Green)
「カインド・オブ・ブルー(59年)」より。
デイヴ・ホランド&パット・メセニーです。格の違う演奏でロールスロイスに乗った様なBlue In Green。(実際に乗ったことは無いですが...)
メセニーのソロが始まると全部彼が持っていってます。カサンドラはもちろんデイヴ・ホランドもいい。極上とはこのことか。

11. Piper
「スケッチ・オブ・スペイン(59年)」収録の“ザ・バン・パイパー”にトリビュートした曲。
カサンドラとギターのマーヴィン・スーウェルのデュオ。彼女もギターを弾いている。
このアルバムを聴いていると、必ずマイルスのオリジナルも聴いてしまい交互に繰り返し聴いてしまう。睡眠不足になりますね。

12. Voodoo Reprise
アフリカ出身のヴォーカリスト、アンジェリーク・キジョーを迎えた「01. Run The Voodoo Down」の別テイク。
これがまたいい。グルーヴの塊です。

13. Prancing (日本盤のみ追加収録)
サムデイ~収録のPfrancing(No Blues)のトリビュート?
微妙に曲名が違うしチョット不明です。

「お気に入り度」 ★★★★★

# ジャケットがいいアルバムはほぼ中身もいい。
# 同じブルーノートから出てる「ニュー・ムーン・ドーター」もいい。

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