JAZZ、FUSION系を中心に手持ちCD・DVDのレビューを書き綴っています。

Peter Erskine / Peter Erskine

ジャズをやりたくてWeather Reportを脱退、その直後の1982年に発表されたピーター・アースキンの1stリーダーアルバム。
ジャズ・ドラマーとしての修行を積む為に、拠点をロサンゼルスからニューヨークへ移し、ステップスへ参加した時期の作品。
ステップスの7th AVENUE SOUTH でのライヴ盤「PARADOX」のライナーによれば、82年の夏にステップスとウエザー・リポートのツアー日程が重なってしまったが、ステップスを優先してウエザーを脱退したとのこと。

80年代初頭のこの時期は、ステップスやブレッカーブラザーズ周辺のフュージョンスター達がこぞってアコースティックなジャズに回帰していた頃。このアルバムも当時のステップスのミュージシャンを核にしたアコースティックな作品。
初リーダー作とは思えないリラックスした雰囲気のアルバムで、ウエザー脱退後、心機一転、自分のやりたい音楽を作っていこうとしているピーター・アースキンの心情がよく表れている。

参加ミュージシャンは今では考えられないような超豪華な顔ぶれ。信じがたいラインナップ。

Peter Erskine(Drums,Percussion,OBX)
Randy Brecker(Trumpet、Flugelhorn)
Michael Brecker(Tenor Saxophone)
Bob Mintzer(Tenor Saxophone,Bass Clarinet)
Mike Mainieri(Vibes)
Don Grolnick(Electric Piano)
Kenny Kirkland(Piano)
Eddie Gomez(Acoustic bass)
Don Alias(Congas)


大学生の頃、テナーを吹いている先輩にカセットテープを貰って聴いていた。
マクセルのテープで、A面にウエザー・リポートの「ナイト・パッセージ」、B面にこのアルバムが入っていた。(無節操なダビング)
今ではその青春お宝テープも行方不明だけれども、衝撃を受けたのは言うまでも無く、ピーター・アースキンが今でも一番好きなドラマーであり、先輩にはとても感謝しています。

ピーター・アースキンの最大の魅力は聴いてて心地よいこと。
繊細なタッチ、柔らかく的確なシンバルレガート、そしてタイム感。
ウエックルとかカリウタのようなフュージョン系ドラマーのように、フレーズを構築していくようなカッチリしたドラミングではなく、浮遊感のあるフレーズで空間を紡ぎ出す“雲を掴むような”タイコ。その捉えどころがないような感覚がとても気持ちよくてクセになります。
実物を見たのは93年にスティーリー・ダンの日本公演で来日した時に1度だけ。ドナルド・フェイゲンそっちのけでアースキンばっかり見てました(笑)
ピアノ・トリオとか、ギター・トリオものを是非間近で見てみたい。

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01. Leroy Street
まずこのイントロ。ドン・アライアスのコンガと絡んで紡ぎ出すグルーヴ、これがアースキンの気持ち良さです。Leroy Streetとは当時ステップスの面々がプレイしていたライヴハウス「7th AVENUE SOUTH」の近くを走る道路の事。
ステップス「PARADOX」の裏ジャケットに7th AVENUE SOUTHの屋上から撮った写真が使われているが、標識にLEROY ST の文字が。7th AVENUEと交差しているストリートのようです。 アースキンが気心の知れたミュージシャン達と自分の音楽を作れる喜びに溢れた曲となっている。
リラックスしたランディ&マイケルのユニゾンのテーマから、ボブ・ミンツァー、ケニー・カークランドの入魂のソロが聴ける。終盤にさしかかり、アースキンが手数を出してくるがこれがまた気持ち良い。とても豪華な演奏。



02. In Statu Nascendi
ピーター・アースキンのドラム・ソロ。
高速レガートから、フリーっぽいソロへ。ドラムソロ曲といってもタッチが繊細なので全くうるさくない。浮遊感のある素晴らしいソロ!

03. E.S.P.
ウエィン・ショーター在籍時のマイルス・デイビス・クインテットで有名なナンバー。
オリジナルに忠実なアレンジで演奏している。1曲目と同様、ボブ・ミンツァー、ケニー・カークランドのソロあり。特にケニー・カークランドの疾走感あふれるソロは素晴らしい。オリジナル同様に風を感じさせる。

04. Change of Mind
ボブ・ミンツァーのオリジナル。アースキンはボブ・ミンツァーのビッグ・バンドにも参加するなど、以後も多数共演している。本作でも重要な立場にあり、ソロを4曲も吹いている。(マイケル・ブレッカーは1曲のみ)
この曲でのテナーソロは自分の曲だけあって、特に情感あふれる素晴らしいソロ。

05. All's Well That Ends
本アルバムの白眉。マイケル・ブレッカーの本アルバム唯一のソロにして、感動的なソロが聴ける。
後期のステップス・アヘッドのような作品で、マイケルが激しくブローしています。後期ステップス・アヘッドのサウンドの核はこのアルバムから始まったのでは?と感じさせるほどソレっぽい。
終盤のドラムソロの部分はやや時代を感じさせるクサさがありますが。

06. My Ship
前回に引き続きマイケルブレッカーのバラードアルバム「Nearness of You」収録曲集ということで。
My Shipと言えば「マイルス・アヘッド」のイメージが強いが、自分の中ではコレ。
残念ながらマイケルは不参加ながらも、ボサノバタッチの軽やかなMy Ship。
ランディ・ブレッカーのフリューゲル・ホルンが爽やかにテーマを歌い上げている。

07. Coyote Blues
アルバムの最後はリラックスしたブルース。
ボブ・ミンツァー、ケニー・カークランドのソロあり。
ウエザー・リポートでは味わえない世界。こういうオーソドックスなジャズが演りたかったのだろう。


「お気に入り度」 ★★★★★


# ドン・アライアスのコンガが本作の肝
# 今は亡きケニー・カークランドの名演がこのアルバムを素晴らしいものに。

 
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TRIO 64 / Bill Evans

1月13日はマイケル・ブレッカーの一周忌でした。
マイケルの作品を何か記事にしなくてはと思い、「Nearness of You~The Ballad Book」についてつらつらと書いておりました。
この「Nearness of You」は、選曲が通好みというか割とマニアックなバラード集となっているのが魅力。ジェイムス・テイラーの「ワン・マン・ドッグ」とかパット・メセニーグループの「カルテット」など出典元の関連アルバムをいろいろ聴いているうちに、そっちのほうへ入り込んでしまった。その他にもコルトレーンの「バラード」やマイルス&ギルの「マイルス・アヘッド」とかも聴き出して、全くまとまらない状況に。。。

そんな感じで今回は「Nearness of You」に収録されている「Always」をビル・エヴァンス・トリオが演奏しているアルバム「TRIO 64」を。(関連性が薄いですが)

Personnel:
Bill Evans(p)
Gary Peacock(b)
Paul Motian(ds)


1963年12月18日、ニューヨーク、ウェブスター・ホールにて録音


録音時期が12月のクリスマス前ということもあり、「04.サンタが街にやってくる」を演奏している。一般的にエヴァンスのクリスマスアルバムと言われている作品です。
年も明け、注連飾りも撤収、成人式も終わったこの時期にクリスマスアルバムを紹介するのはいかがなものかとは思いますが、またそれも一興でしょう(笑)

「サンタが街に~」やTV漫画のキャラクターを題材にした「01. Little Lulu」など、とても親しみやすい内容となっている。各曲の長さも短かめ、エヴァンス特有の研ぎ澄まされたような精神性は抑え気味で、愛すべき小品集といった趣。

ベースにゲーリー・ピーコックが参加していることが大きなポイント。
キース・ジャレット・トリオのイメージが強い彼ですが、エヴァンスとの共演はこのアルバム1枚のみ。ゲーリー・ピーコックの参加によりシリアスなもの(場合によってはフリー?)になりそうだが、全くそのようなことは無い。あくまでもクリスマスアルバムですから、どちらかというとハッピー系。

個人的な事情から「クリスマス時期にクリスマスアルバムなんか聴きたないワイ!」という方もたくさんいらっしゃると思うので、季節はずれの今の時期にエヴァンスの「TRIO 64」はいかがでしょうか。隠れ名盤的な地味目の作品ですが、心に染みるかも。。。

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01. Little Lulu
愛らしくスインギーなナンバー。
ゲイリー・ピーコックのベース・ソロがやはり耳に残ります。ポール・モチアンのブラシも心地良い。

02. Sleepin' Bee
「モントゥルージャズフェスティバルのビル・エヴァンス(お城のエヴァンス)」でよく聴いていたこの曲。こちらはかなり落ち着いた演奏。同じピアノ・トリオでもメンバーが変わると色が全然違うのが面白い。

03. Always
今回の記事のキッカケとなったマイケル・ブレッカーのバラード集にも収録されているワルツナンバー。美しいメロディの曲でエヴァンスのソロが素晴らしい!

04. Santa Claus Is Coming to Town
「サンタが街にやってくる」です。
生真面目なイメージのエヴァンスが楽しそうに笑って弾いていそう。
ゲイリー・ピーコックのソロもいい。

05. I'll See You Again
ゲーリー・ピーコックが大活躍。
このアルバムを通してピアノ・トリオにおけるベーシストの重要性をつくづく感じさせます。

06. For Heaven's Sake
しっとりとしたスローバラード。大音量で聴いてます。
エヴァンスのピアノが心に染みる。

07. Dancing in the Dark
この07~08は大好きな流れ。
モノラル録音なので左のスピーカーからゲイリー・ピーコック、右のスピーカーからポール・モチアン、センターからエヴァンスが聴こえてくる。迫力の演奏です。

08. Everything Happens to Me
この曲はキース・ジャレットの演奏が特に印象に残っている。
いろいろなピアニストが取り上げているが、このエヴァンスも実に素晴らしいです。


「お気に入り度」 ★★★★☆

# クリード・テイラーがプロデュースしている点もポイント。
# 別テイクを収めたコンプリート盤も発売されている。

 

教則本



新年あけましておめでとうございます!
今年もゆるーい感じで週一ペースの更新を継続していきたいので、よろしくお願いしますー。

今年の目標はドラムの練習。秋の発表会に向けルーディメンツ等の基礎練習からコツコツ励むことにした。
高校生の頃は部活で1日中練習台をタカタカ叩いていても苦にならなかったが、今では練習台はリモコン置き場と化している。(丁度いい高さにあるもので)

新年早々ひっぱり出して来た教則本が2冊。
左側の緑のほうが、「N.A.R.D(National Association of Rudimental Drummers) Drum Solos」
「N.A.R.D」のメンバーによる150のマーチングドラム集。

右の赤いのが、「Portraits in Rhythm (by Anthony J. Cirone)」
これもスネアドラムの曲集だが、よりクラシカルなエチュード。変拍子が多く、細かいダイナミクスの指定がある。

この2冊は社会人になって5年目の頃、ドラマガで“音大の打楽器教育”について特集が組まれており興味を持ったことから購入した。両方とも芸大の1次試験の課題曲として採用されていた曲集。(現在の状況はわかりませんが)

93年頃購入し、一緒に写っているSEIKOのクオーツメトロノーム(テンポ指定がダイヤル式の年代モノ)をピコピコ鳴らしながら練習台をカタカタカタ。。。そして両方とも途中で挫折。15年ぶりに譜面台に乗った。

「N.A.R.D」の1曲目、「Mister Rudiments」から開始。

出来ない。。。転びまくってる。
早くも挫折の予感。

いきなりマーチングは難しいので教則本変更(笑)
より基本的な手順書「STICK CONTROL」に。
今年の目標は“挫折禁止”になりそうだ。



スネアドラムのエチュードは学校の練習室や自宅の練習台で一人孤独にやるものだけど、やはり他人の演奏も見たい。ネット上に動画があったりするとおもしろいと思うけどなぁ。。。
  • ALLAN HOLDSWORTH IN JAPAN (05/05)
  • アナログ音源のデジタル化 その4 (07/23)
  • アナログ音源のデジタル化 その3 (05/11)
  • アナログ音源のデジタル化 その2 (05/05)
  • アナログ音源のデジタル化 (05/04)
  • 廉価盤1,000円CD (12/29)
  • SON / 松岡直也&WESING (Romantic Version) (05/03)
  • 結晶~SOUL LIBERATION / ORIGINAL LOVE (04/14)
  • first / 夜総会BAND (03/23)
  • ブラームス 間奏曲集他 /グレン・グールド (03/04)
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